ADHDの子どもたちをサポートする本

2019年3月発行、著者 榊原洋一さんの本を読みました。

発達障害とは、知的障害・コミュニケーション障害・自閉症スペクトラム障害・注意けっかん多動性障害(ADHD)・学習障害LD・発達性協調運動障害があります。ADHDは、不注意優勢型・多動性、衝動性優勢型・混合発現型がありますが、併存症(自閉症スペクトラム障害・学習障害・てんかん・チック障害・強迫性障害・発達性協調運動障害)や、合併症(反抗挑戦性障害・行為障害・不安障害・うつ病)など、ほかの障害を併せ持つことがあるそうです。

サポートで大切なことは、①叱らずにほめる②困っているときには手を貸す③簡単なことばで伝える④視覚的に伝える⑤目標値を下げて達成させる⑥得意!を伸ばす 以上のポイントに留意してあげましょう。
近年では、大人になって発症したり、男児に多くみられると言われてきましたが、男女比は2:1に、大人の男女比はほぼ差がないことがわかってきたそうです。お薬の種類も増えてきたそうです。

ADHDは、生まれつきの脳機能のかたよりが原因となって起こる障害です。本人の意思とは関係なく、自分の注意力や抑制力をコントロール出来なくなってしまいます。また、育て方・しつけ方が原因で起こるものではないことを周りの人が理解してあげましょう。

◉多動性・衝動性優勢型(おしゃべりがやめられない・落ち着きがなくじっとしていられない・カッとなりやすい・順番を待てない)
◉不注意優勢型(集中できない・話を聞いていないようにみえる・物忘れが多い・周囲の刺激に気をとられやすい・ものをなくしやすい)
◉混合発現型(不注意、多動性・衝動性の両方の特性がみられ、ADHDのほとんどがこのタイプといわれています)

ADHDの子どもは、困った子ではなく、困っている子として周りが接してあげましょう。また、自尊心を傷つけない配慮が大事です。自尊感情(自分はありのままで人から愛され、存在する価値があると思う気持ち)を高めるには、一方的に叱らない・よくほめる・成功体験を積ませることが大事です。
日常の接し方では、①過度な注意や訓練をしない②障害の特性を受け入れる③目標を低くする④長所を伸ばす育て方を このようなことに配慮することが大切です。

発達障害は、「実行機能」の障害といわれています。例えば、学校から帰宅後、すぐに宿題をやるという目的を達成させる。に必要とされる実行機能は、「宿題があることを記憶しておく、おやつを我慢する、遊びに行くのを我慢する、宿題を終わらせる為にどれくらいの時間がかかるかを見積もる、終えるまで集中力を切らさない、わからない問題は教科書やノートを見て解き方を思い出す、どうしても解けない問題は親や兄弟に教えてもらう」など、様々な実行機能がうまく働かないと宿題はこなせません。発達障害の子どもは、宿題をやることをすっかり忘れていたり、見通しを立てることが出来ずに、宿題をやらずに出かけてしまうのです。

ADHDは「家族性」があり、兄弟・一卵性双生児・親子など同じ遺伝子をもちやすい血縁者に多くみられる傾向もあるようです。また、併存症のリスクも高く、ADHDと自閉症スペクトラム障害には似ている特性があり、幼児期にはなかなか見分けがつきにくいそうです。

まとめ!周囲の人が出来ることは、出来るだけ叱らずにたくさん褒めることです!それが、自尊心を高め、生活の質を向上させ、合併症予防に繋がります。

大人になってADHDで苦しんでいる方も、自分らしく、自分にできることをがんばればよい!と自分を大切にしましょう。自分の個性や能力を生かして、自分に合った生き方を追求しましょう。