発達障害を診るスペシャリスト

NHKのプロフェッショナルで、精神科医 本田秀夫氏の特集をみた。信州大学医学部附属病院、子どものこころ診療部の部長として、30年以上、160人の子供たちを診ている。

今、発達障害の子供は小中学校で15人に1人といわれている。自閉症スペクトラム症(ASD)*アスペルガー症候群はこれに含む*は、こだわりが強く、熱中しすぎてしまったり、コミュニケーションをとるのが苦手で空気が読めない。注意欠如・多動症(ADHD)は、じっとしていられなかったり、忘れ物が多い。学習障害(LD)は、読む・書く・計算するなど、特定の分野の学習だけが困難。どれも、生活に支障が出るレベルをさし、生きづらさから、不登校やひきこもりを引き起こす。

先生は言う、治療ではなく診療。心の問題を解決するために話を聞いて、一緒に笑う。一人一人の特徴を探して、興味のツボを探る。相手を否定せずに、相手のすべてを尊重する。生きづらさを和らげて、意欲やモチベーションを引き出す。発達障害の特性を無理に押さえつけるのではなく、でこぼこは残るけど伸びるところを伸ばしてあげる。すべてのことをプラスに考えて、ポジティブな芽を見出す。今がいずれ何かのプラスになる可能性があると信じて。

普通って何?平均より劣るから発達障害?その人にとって幸せとは?

先生は、みんなが生き生きと暮らすために、NPOを設立した。コミュニケーションをとるのが苦手な人でも、好きなことなら話せる居場所を作り、定期的に会をひらく。社会にでて、孤立せずに、好きなことを通した仲間がいるとモチベーションを保てるため。

発達障害から過剰適応に陥ることもある。まわりに気を使い過ぎて、疲れ果ててしまう。疲れると気を失ったり、不眠から精神的・身体的にも不健康になってしまう。そんな時は、「ゆっくりとゆっくりと歩こう」を心に、長いスパンで見守ってほしい。

発達障害障害に対する奇異な目でみる敷居をもう少し下げてみてもらえるといいな・・・と先生は言う。発達障害の症状に当てはまる人はたくさんいる。私もその1人だと思う。

「あなたらしく、笑顔で生きて」教室に掲げる言葉が見つかった。