不登校新聞

NHKのハートネットTV「不登校新聞~自分と向き合う~」の放送を見ました。

不登校や引きこもりの当事者が作る不登校新聞、ルールは遅刻・早退・バックレはOK、登録された80人余りの編集部員が企画から執筆までを担当し、経験者の目線にこだわって情報を発信します。何が正しいではなく、本音を大切にする紙面作りの現場は自由で真剣です。編集部員たちは新聞を作りながら、自らの辛い体験や本当の気持ちと向き合います。

21歳、女性、小学校の時からいじめを受け、毎日のように靴には給食の残飯や嫌がらせのメモが入っていました。転校してもいじめはまた始まりました。打ち明けたくても仕事が忙しい母には言えず、話をしても叱られるからと我慢を続け、孤独の泥沼に沈んでいきました。なぜ自分はみんなのように生きられないのか、自分が嫌いになり、生きている意味が曖昧になっていきました。リストカットはすっきりして、やめられませんでした。死ぬつもりではなく、今生きているんだよという実感を示したかったそうです。そんな時、シンガーソングライターの悠々ホルンさんに出会い、その歌に共感を覚えました。
初めて取材する相手はこの人しかいないと・・・。悠々ホルンさんにとって、生きる意味とは何かを聞きたかったそうです。悠々ホルンさんは、当時苦しんでいた自分を幸せにしてあげる為、終わりにしたいと思った自分を未来に連れてって笑顔にさせてあげる為、と答えました。

16歳、女性、中学一年で不登校になりました。きっかけは担任の先生に叩かれたことでした。友達と言い争いになった時に自分だけが叩かれ、やり場のない思いが大人への不信感を募らせました。次第に外に出なくなり、部屋に引きこもりました。やがて、母との会話にもすれ違いが生じ、理解してもらえないと感じました。そして、唯一の逃げ場所だった押入れの中に入るようになりました。
今、同じ境遇の人にアドバイスしたい、4年間もがき苦しんだことを記事にしようと思いました。訪ねた来た友達に「あ、死んでなかったんだ」と言われたことや、友達の本心が分からず、不安になり、心をむしばんでいったことなど、不登校のきっかけが、仲のいい友達の「死ね」や「来るな」の言葉が心に刺さっていたことに気が付きました。

編集長の石井志昴さんは、新聞作りや取材を通して、真剣に生きられる瞬間を味わってほしい、学校で教わるよりもっと人生は豊かだと感じてほしいと語っていました。