「不登校~保護者ができることは?」②

川崎市が設けている、地域の子供たちや不登校の子供たちが集まるフリースペースを、31年間運営する方に意見を聞いていた。

Q:子供が学校に行かなくなったら、親はまずどうしたらいい?
A:どうしたの?と共感的に聞こうとする、その最初が大事。単なるウダウダなのか、深刻なウダウダか、親にはわからない。「母さん、もういっぱいいっぱいだよ。助けて」という声が出やすくする空気を作ることが必要。最初は、ちょっと気にかける、私はあなたのことを大事だと思っているよと気を向ける、子供がシグナルを出せるような、何かを言葉に出来るような雰囲気を作ってあげてほしい。

Q:学校に行けない理由を聞くのは良くないの?
A:この31年間、不登校になった子供たちの中で、学校に行かない理由を明確に答えた子供はほとんどいない。大人は、理由が必ずあるはず、親が納得出来る理由を言えと言うが、子供はいろんなことが複合して、今学校に行けないという現象が起きているだけで、理由を問い詰めてもあまり意味がない。それよりも、今ここにある子供を丸ごと受け止めるのが大事。子供は、親にはこの理由、先生にはこの理由、カウンセラーにはこの理由を言ったりするが、その子が大人になってあの時はそうじゃなかったという子供が多い。

Q:つい怒ってしまうのは良くない?
A:脅しのような、叱咤激励はマイナス。【大丈夫の種】をまいた方が良い。大人は正論と思ったことを言う時は言葉が強くなりがち。「ふざけるな、そんなこと許されると思うな」など、強い言葉は子供を深く傷つけてしまう。

Q:子供を傷つけてしまった場合、とりかえしはつくの?
A:子供にひどいことをしたと、本当に親が思えた時に[流れ]は変わります。どんなにこじれた段階でも「あの時はごめん」と言うことが、[雪解け]になって、そこから少しずつ[変化」が生まれてくる。それを信じて誠意を持って謝ること。言葉にならなくても本当にそう思えたら、何かが全部変わってくる。ささいな言葉使い、振る舞い、その子を見てる目線、ゲームをやっている時の親の目線も変わってくる。それを感じているから、子供も少しずつ回復に向かえる。

いろんな子供たちと長年触れ合ってきた方の意見はとても説得力がありました。