フォーラムの内容について②

二人の娘さんが不登校だった野村さんが「不登校・引きこもりの家族が越える五つの関門」と題して話して下さった内容です。
1.子供が「今は学校に行くのがとても辛い」ということを認めて、仕方なく、とりあえずという気持ちでいいから「学校を休んでいいよ」と言えるかどうか。
親はなかなかその一言が言えません。けれど子供はその一言を待っています。この一言で子供は自分の気持ちをわかってくれたと安堵し、親への信頼感が生まれます。
2.「いつまで休ませればいいのだろうか」と焦りだす気持ちを抑えることが出来るかどうか。
3.子供が元気になると「心がざわつく」が、ここをコントロール出来るかどうか。
会場に来ていた方から「ゲームをしている姿、テレビを見て笑っている姿を見るとイライラしてしまうのですがどうしたらいいですか」と質問がありました。元気なのにどうして学校に行けないのか、働けるのではないかと思ってしまうのが【ざわつき】です。子供が今持っているエネルギーで出来る最低限のことをしているんだと思って見守ることです。エネルギーがなければ部屋でずっと寝ています。エネルギーが回復しているから笑うことが出来るのです。また言葉に出さなくても子供は親の背後にあるオーラや態度で気持ちを敏感に感じ取るので気をつけて下さいとの返答でした。
4.「進学問題をどうするか」が大きな岐路に~「いろんな道がある」と思えるかどうか。
学校に行けない!ではなく学校に行かない!へ気持ちを切り替えると不登校の捉え方も大きく変わります。また〇〇高校しか行くところがない!ではなく〇〇をしたいから〇〇高校に行くんだ!という本人の意志が大事ですと話していました。
5.「子供の人生は子供に委ねる」と腹を据えることが出来るかどうか。
小学生で不登校になった野村さんの次女はダンスをしたいから定時制高校に行くと決め、プロになれるほど頑張っていたそうです。そして三年生の時に公務員になると言い出したそうです。野村さんは小中と不登校で公務員試験は難しいだろうし、頑張ってきたダンスの道を選べばいいのにと心の中で思いましたが黙って見守っていたそうです。それから次女は猛勉強し見事試験に合格したそうです。
野村さんは時間の都合で全部の質問に答えられなかったので電話やfax、メールで直接聞いて下さいと参加者全員に連絡先を教えてくれました。悩んでいる親御さんの気持ちに寄り添いたい、助けたいという気持ちがひしひしと伝わってきました。