フォーラムの内容について①

学校に行けない子供たちは、その理由をはっきり言えません。いじめの場合は、先生に話した方がもっといじめられるのではないかと不安になったり、親に心配をかけたくないと思ってしまいます。頭では学校に行かなきゃと思っていても、頭痛・吐き気・体のこわばりなど体がSOSを出します。「だるい」という言葉はなんとも言えないつらさの表現なんですと当事者の方がおっしゃっていました。
親は理由がわからないので納得できず、学校に行きなさいと言ったり無理やり学校に行かせたりします。中学で不登校になった方が「親には不登校になった時に優しく見守ってほしかった」と話していました。二人の娘さんが不登校だった野村さんが、テストで良い点をとった時には理由を聞かないのに悪戯をした時にはどうして理由を聞くのですか?と問いかけました。学校に行けない理由を聞くことは親が学校に行かないことをマイナス評価しているからだと指摘されました。親は自身の立場や世間体を気にして行動してしまいがちですが、その最初の言動が、不登校や引きこもりの子供たちにとって大きな影響を与えるものだと強く感じました。
不登校、引きこもりを経験された丸山さんが「心のエネルギー」と表現されていたのが印象的でした。何らかの理由でエネルギーがなくなり学校に行けなくなったり働けなくなったりします。家にいる時間がエネルギーを充電する時間です。エネルギーの減少と回復を繰り返しながら少しずつ満タンに近づいていきます。その充電期間は人それぞれで、誰にもわかりません。本人でさえわからない、だからつらく苦しいのです。エネルギーを満タンにする為に親は子供たちに寄り添い黙って休ませてあげてほしいとおっしゃっていました。学校に行きなさいという親と毎日喧嘩していたらエネルギーは消費されてしまうし、過ごしにくい環境で家にいてもエネルギー回復の妨げになります。「心のエネルギー」を満タンにするには、一番の味方である家族との関係が大事だということを知りました。